DTP作業者にとっての難易度 ★★☆☆☆(2)
以前、松本タイポグラフィ研究会(http://matsumototypography.jpn.org/)主催のセミナー翌日の懇親会(自主的なもの)で「こういう新書の体裁(下の動画のサムネイルを参照)をInDesignで再現できないものか」ということが話題になりました。
見出しを本文とは別フレームで作成すれば簡単なのですが、それでは本文と見出しが同一ストーリーになりません。後でテキストを抽出する可能性などを考えると、できれば同一ストーリーの状態でこの体裁を実現したいものです。今回は、その方法(あくまでも私の案です)をご紹介します。
動画内でも触れていますが以下が主なポイントです。
【見出し】
@行送りの基準位置を「仮想ボディの上/右」とするA行送り値を0にする
Bベースラインシフトで行位置を調整する
(2行の場合は正規表現スタイルで各行を個別に調整)
C入力時は別の段落スタイルを使用(本文行と重ならないもの)
【本文】
@段落行頭に全角スペースを入力してドロップキャップ対象とするA縦方向の寸法は文字スタイルで変更する
なお、今回は書店で下の書籍を購入し、できるだけ近い体裁になるよう作業しました(100刷到達の本だそうです。すごいですね)。

サンプルデータはこちら《sinsho_2020_1124a.zip》です。
こういう書籍組版は、滅多にやらないので、とても参考になります。
2行用の見出しは割注を使ってもよさそうですね。
私自身、縦組みの書籍の仕事はほとんどなく
果たして今回の方法がやりやすいものなのかどうか自信はありません。
ぜひいろいろお試しになり「こうしたほうがうまくいった」「他の方法があった」など、
情報がありましたらご教示ください。
これからもよろしくお願いいたします。
2行または3行の中央に入る小見出しの件ですが、ダミーのアンカー付きオブジェクトで処理する方法もあります。オブジェクトは、線・塗りともに無しで、回り込みを設定しておきます。アンカー付きオブジェクトは、回り込みを設定しても、「1行目には適用されない」という仕様(バグ?)を逆手にとって、1行目の先頭に挿入します。小見出し部分は、ベースラインを下げた1行用と、さらに割注を設定した2行用の文字スタイルで対応できます。
本文テキストの排除は、グリッドに沿ってオブジェクトを適当に拡大したりすれば、簡単に変更できます。アンカー付きオブジェクトは、前処理で●などの記号を入れておけば、インデザイン上で一括置換も可能です。応用として、ダミーのオブジェクトの線をアリにして、囲み罫にしてもいいですね。
まぁ、こういう方法もある、ということで……。
コメントをありがとうございます。
(すごいお名前ですね。同年代かもしれませんw)
印刷物作成のためには、ご提案のように
アンカー付きオブジェクトで体裁を整えるのが近道ですね。
ただ、テキストを書き出して利用する場合はアンカー付きオブジェクト内の文字をうまく書き出すことができず困っておりました。
そこらへん、うまい処理方法があるといいのですが。
なかなか難しい問題ですね。
オブジェクトの件ですが、これにはテキストも入れません。単純に本文を排除するだけの矩形です。
小見出しのテキストは、本文の1行目にそのまま入力しておいてかまいません(排除されないので)。文字スタイルで処理します。小見出し部分のサイズの変更とか、字取りがある場合は、もうひと工夫必要ですが。
いずれにしても、テキストの抽出(コピペ)で一緒に付いてきます。
失礼いたしました。
空のアンカーオブジェクトでしたね。
失礼しました!
この方法なら見出しテキストもストーリー内で扱えますね。
ありがとうございました。