2020年06月16日

アキ行をフレーム外にぶら下げる・突き出す【InDesign】

DTP作業者にとっての難易度 ★★☆☆☆(2)

※2020.6.24追記/CC2020の「同一設定段落の間隔」を使うケースについて追記しました。


今回は、2015年のDTPの勉強会第16回「ショートセッション大会」でお話しした「ぶら下げ行・突き出し行」というアイデアをご紹介したいと思います。

ぶら下げ行・突き出し行とは


文章の区切りにアキ行(改行だけで構成された行)を使用するケースはよく見かけます。この時「アキ行がページの先頭(あるいはコラムの先頭)に来た時は削除する」というルールがあると、修正などで文章が増減した際に面倒な作業が多発します。この問題を解決するために「アキ行がページの先頭(あるいはコラムの先頭)に来る時はフレーム外にぶら下げたり突き出したりする」のがぶら下げ行・突き出し行です。

※実際はアキ行はフレーム内に収まっているのですが、あたかもフレーム外に存在するかのようにふるまいます。


0615a.png

ぶら下げ行・突き出し行の設定


基本的な設定は「行送り値を0にする(直前または直後の行と重ねる)」「段落後(前)のアキで1行分のアキを設ける」というとても簡単なものです。ただし作業のしやすさを考えて書式を工夫するべきです。詳しくは動画とサンプルデータをご覧ください。

2020年6月現在、DTPの勉強会(http://dtpstudy.blog51.fc2.com/)は開催されていませんがいずれ再開されるはずです。DTP作業者だけでなく編集者の方にも役立つ場だと思います。ぜひ機会がありましたらご参加ください。
サンプルデータはこちら《minimum_2020_0615a.zip》です。

2020.6.24追記/CC2020の「同一設定段落の間隔」を使う

CC2020には「同一設定段落の間隔」という機能が追加されました。これは「段落前のアキ」「段落後のアキ」を設定している場合でも、同一設定の段落が続いた箇所については「段落前のアキ」「段落後のアキ」と異なるアキ量を使用できるというものです。

たとえば行送り値が28Hのレイアウトで箇条書きの「段落前のアキ」「段落後のアキ」を7mm(1行分)と設定し「同一設定段落の間隔」を「0mm」と設定した場合、設定が異なる本文との間は7mm(1行アキ)になりますが、箇条書き同士の間は0mmになります。つまり「ぶら下げ行」「突き出し行」を使わなくても済むわけです(サンプルデータはこちら)。

スクリーンショット 2020-06-23 16.59.38.png

それでも「テキスト化した時のために1行アキの改行を残しておきたい」というケースや「ひとつの段落スタイルだけで構成される文章でアキ行を設けたい」というケースなど、「ぶら下げ行」「突き出し行」を使う場面はまだありそうです。

※なお、「同一設定段落の間隔」のデフォルト値は「無視」というものです。この設定になっている場合は同一設定の段落が続いた箇所についても「段落前のアキ」「段落後のアキ」の設定値がそのまま使われます(CC2019以前と同じ状態)。

posted by 照山裕爾 at 03:36| Comment(0) | InDesign-書式・スタイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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