DTP作業者にとっての難易度 ★★★☆☆(3)
InDesignにはタイトルや見出しから柱や目次などを生成する機能があります。ただ、通常の使い方だけでは思うような結果が得られないケースがあるのも事実です。私が先日手がけた印刷物でも、そのような場面がありました。自分自身が忘れないためにもここに記録しておこうと思います。
※当ブログ上では画像、動画が縮小表示されています。必要に応じて画像は別ウインドウで、動画はフルスクリーン表示するかYouTubeに移動してご覧ください。
※もっと良い方法があるかもしれない、機能を使い切っていないかもしれないと思っています。何かございましたらコメントをお願いします。
「目次」「テキスト変数」機能を使用する
まずは「目次」「テキスト変数」機能を使って柱と目次を生成する一般的な例をご覧ください(sample_A)。
図で示すと以下のようになります。

条件が変わった場合の対応方法例
実際の冊子では上の例とは条件が違ったため、多少の工夫が必要となりました。
章タイトルが複数行になる場合に名前の位置を調整する
章タイトルが複数行になるケースがあるため「正規表現スタイル」により名前の位置を調整するよう設定しました(sample_B,sample_C)。
名前を除いた部分のみを柱に反映させる
「先頭文字スタイル」によってEMスペースより前の文字のみに文字スタイルを適用し、その部分のみを柱に反映させるよう設定しました(sample_B,sample_C)。
Excelを使って目次のノンブル表記を修正する
目次には章タイトルのテキストフレームが存在するページのノンブルが示されます。Excelを使うことで、このノンブルの値を「1」マイナスする方法を考えました(sample_B)。
「相互参照」で章タイトルと同じ文字列を発生させる
章タイトルと同じ文字列を直前のページに発生させるために「相互参照」機能を使用。この文字列から目次を生成することでノンブル表記の問題を解決しました(sample_C)。
sample_Cを図で示すと以下のようになります。

テキストフレームの「自動サイズ調整」を使う(CS6)
InDesign CS6からの機能「自動サイズ調整」を使うことで、章タイトルの文字数、行数の増減にも対応しやすくなります(sample_D)。
これを図で示すと以下のようになります。

ご覧いただいた方法は「こんなことも可能だという例」であり「必ず設定しなければならないもの」ではありません。個別に手作業で対応したほうが効率的だというケースもあるでしょう(初校以降の修正が少ないことが予想される印刷物など)。たいせつなのは、編集者とDTP作業者で相談しながら柔軟に対応することだと思います。
サンプルデータはこちら《minimum0925a.zip》です。