DTP作業者にとっての難易度 ★★★★☆(4)
冊子の小口のツメ(章番号などの目印)を手作業によらずに移動させる方法がないか……ということがTwitter上で話題になっていたので、私なりに考えてみました。
※下部に動画があります。解説が難しい場合は動画をご覧ください。
※DOTさんの「InDesignerの悪あがき」の「マスターページひとつでインデックスをずらしてみる」という記事(http://indesigner.blog101.fc2.com/blog-entry-26.html)を参考にさせていただきました。
ツメのテキストフレームを用意する
まずは「第10章」などと表示するテキストフレームを用意します。数字部分は手入力するのではなく「テキスト変数」の「章番号」を挿入しておきます。

※「テキスト変数」の「章番号」を挿入しておくと、ブック機能で複数のドキュメントを束ねた時に自動的に連番をふることが可能です。ページパレットで任意の番号を指定することもできます。
ツメのテキストフレームをアンカー付きオブジェクトにする
ツメのテキストフレームをコピーして大きな縦組みのテキストフレーム内にペーストし、アンカー付きオブジェクト(親のテキストフレーム内の文字の増減などに応じて移動するオブジェクト)にします。親のテキストフレーム内の行頭には「テキスト変数」の「章番号」を挿入します。この章番号として発生する文字が、ツメのテキストフレームを押し下げる役割を果たすわけです。

文字ごとに幅が異なるフォント(数字のみ)を用意する
Glyphsを使って数字のみで構成されるフォントを作成します。実際に出力される必要はないため文字幅のみを設定すれば良いでしょう。たとえば「1」の文字幅は「100(/1000em)」、「2」の文字幅は「200」……「9」の文字幅は「900」とします。数字が2桁以上の場合もdlig(合字)の設定をすれば問題ありません。たとえば「12」と入力された時は文字幅が「1200」になるよう設定します。

※サンプルデータ内のフォントは「1」から「100」まで作成してあります。
InDesign上で書式を設定する
アンカーオブジェクトを押し下げる文字(章番号)に対して、作成したフォントを適用します。忘れてはいけないのは「OpenType機能」の「任意の合字」のチェックをオンにしておくことです。これで、章番号が「1」の時よりも「2」の時のほうがツメの位置が下にずれるようになりました。

※ブック機能により複数のドキュメントを束ね、各ドキュメントの章番号を自動的に設定したい場合は「自動番号を更新」の「章と段落番号を更新」を選択します。
以下、動画をご覧ください。
ツメの作成
補足
今回使用したフォントは他にも使い途がありそうです。何か良い方法をお考えになった方は、ぜひ教えてください。
サンプルデータはこちら《minimum_2014_0303b.zip》です(CS6以降/一部CS4以降でも可)。
字幕が無いので何やってるのかよくわからんです…
何かと至らぬ点もあることと存じますが、
今後ともよろしくお願いします。