DTP作業者にとっての難易度 ★★☆☆☆(2)
《Microsoft Wordの段落スタイルをInDesignに反映する》では、Microsoft Wordで段落スタイルを設定しておくとInDesignの段落スタイルに反映できることをご紹介しました。
しかし作業環境によっては、編集者がテキストデータに段落スタイルを適用できないこともあります(たとえばテキストエディタを使用している場合など)。このような場合に便利な方法をご紹介したいと思います。
たとえばテキストデータでは大見出しにしたい段落の行頭に「◎」、小見出しにしたい段落の行頭に「■」を入力しておき、これをInDesignに読み込みます(下図・左)。正規表現による検索/置換で、これらの記号を削除すると同時に段落スタイルを適用し、下図・右の状態にすることができます。

このためには、下図のように設定をおこないます(大見出しの例)。

『検索文字列』の「^◎」は段落行頭「^」の直後が「◎」であること、という条件を示しています。
「(.+)」のうち「.」は任意の1文字という意味、「+」は1回以上の繰り返しという意味です。「なんらかの文字が1文字以上存在すること」というふうに考えていただければ結構です。半角括弧で囲んでいるのは、後ほど置換する時に使用するためです。
『置換文字列』は「$1」となっています。これは《特定の言い回しの部分だけを置換する……正規表現による置換》でもご説明したように『検索文字列』内の1つめの半角括弧で囲まれた部分をそのまま使用する、という意味です。今回は検索した文字列のうち「◎」を除く部分ということになります。
さらに『置換形式』欄では、適用したい段落スタイルを設定して『すべて置換』を実行します。
段落行頭に入力しておく記号は何でも構いませんが、本文中で使用する可能性の少ない記号を選ぶべきでしょう。