2020年11月25日

新書の体裁をInDesignで再現する

DTP作業者にとっての難易度 ★★☆☆☆(2)

以前、松本タイポグラフィ研究会(http://matsumototypography.jpn.org/)主催のセミナー翌日の懇親会(自主的なもの)で「こういう新書の体裁(下の動画のサムネイルを参照)をInDesignで再現できないものか」ということが話題になりました。

見出しを本文とは別フレームで作成すれば簡単なのですが、それでは本文と見出しが同一ストーリーになりません。後でテキストを抽出する可能性などを考えると、できれば同一ストーリーの状態でこの体裁を実現したいものです。今回は、その方法(あくまでも私の案です)をご紹介します。

動画内でも触れていますが以下が主なポイントです。

【見出し】

@行送りの基準位置を「仮想ボディの上/右」とする
A行送り値を0にする
Bベースラインシフトで行位置を調整する
(2行の場合は正規表現スタイルで各行を個別に調整)
C入力時は別の段落スタイルを使用(本文行と重ならないもの)

【本文】

@段落行頭に全角スペースを入力してドロップキャップ対象とする
A縦方向の寸法は文字スタイルで変更する

なお、今回は書店で下の書籍を購入し、できるだけ近い体裁になるよう作業しました(100刷到達の本だそうです。すごいですね)。
2020-1124a.png

サンプルデータはこちら《sinsho_2020_1124a.zip》です。
posted by 照山裕爾 at 04:24| Comment(6) | InDesign-書式・スタイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月18日

Glyphsによる記号フォント作成(+DESIGNING vol.50の補足)

DTP作業者にとっての難易度 ★★☆☆☆(2)

9月に発売された『+DESIGNING』vol.50に「フォントがないなら……作ってみよう! Glyphs入門」という4ページの記事を書かせていただきました。
1117-002.jpg

簡単な記号フォント作成を通じてGlyphsに触れて頂きたいと考えたものですが、スペースの都合上、十分に説明しきれない点もありました。ここでは動画とサンプルデータで補足したいと思います。

箇条書きの記号用のフォントを作る

動画ではGlyphsの基本的な設定についても解説しています。

箇条書きの自動番号用のフォントを作る

2種類の数字フォントを作成しています。

文章中の長めのマークを作成する

InDesignの設定についてもご確認ください。

合字(rlig)で2桁数字用のフォントを作る

グリフを用意するのは大変ですがOpenTypeフィーチャーのコードは自動で生成することができます。

前後関係に依存する字形(calt)で2桁数字用のフォントを作る

少ないグリフで2桁数字を表現するのならcaltが便利です。

複数の色を使ったマークをフォントで表現する

位置をずらしたパスの作成方法についても説明しています。

サンプルデータはこちら《sample_data_20201117a.zip》です。
posted by 照山裕爾 at 01:06| Comment(0) | InDesign-書式・スタイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする