2014年03月04日

章番号に応じて移動するツメを作る

DTP作業者にとっての難易度 ★★★★☆(4)

冊子の小口のツメ(章番号などの目印)を手作業によらずに移動させる方法がないか……ということがTwitter上で話題になっていたので、私なりに考えてみました。

※下部に動画があります。解説が難しい場合は動画をご覧ください。

※DOTさんの「InDesignerの悪あがき」の「マスターページひとつでインデックスをずらしてみる」という記事(http://indesigner.blog101.fc2.com/blog-entry-26.html)を参考にさせていただきました。


ツメのテキストフレームを用意する


まずは「第10章」などと表示するテキストフレームを用意します。数字部分は手入力するのではなく「テキスト変数」の「章番号」を挿入しておきます。
01.png

※「テキスト変数」の「章番号」を挿入しておくと、ブック機能で複数のドキュメントを束ねた時に自動的に連番をふることが可能です。ページパレットで任意の番号を指定することもできます。


ツメのテキストフレームをアンカー付きオブジェクトにする


ツメのテキストフレームをコピーして大きな縦組みのテキストフレーム内にペーストし、アンカー付きオブジェクト(親のテキストフレーム内の文字の増減などに応じて移動するオブジェクト)にします。親のテキストフレーム内の行頭には「テキスト変数」の「章番号」を挿入します。この章番号として発生する文字が、ツメのテキストフレームを押し下げる役割を果たすわけです。
02.png

文字ごとに幅が異なるフォント(数字のみ)を用意する


Glyphsを使って数字のみで構成されるフォントを作成します。実際に出力される必要はないため文字幅のみを設定すれば良いでしょう。たとえば「1」の文字幅は「100(/1000em)」、「2」の文字幅は「200」……「9」の文字幅は「900」とします。数字が2桁以上の場合もdlig(合字)の設定をすれば問題ありません。たとえば「12」と入力された時は文字幅が「1200」になるよう設定します。
03.png

※サンプルデータ内のフォントは「1」から「100」まで作成してあります。


InDesign上で書式を設定する


アンカーオブジェクトを押し下げる文字(章番号)に対して、作成したフォントを適用します。忘れてはいけないのは「OpenType機能」の「任意の合字」のチェックをオンにしておくことです。これで、章番号が「1」の時よりも「2」の時のほうがツメの位置が下にずれるようになりました。04.png

※ブック機能により複数のドキュメントを束ね、各ドキュメントの章番号を自動的に設定したい場合は「自動番号を更新」の「章と段落番号を更新」を選択します。



以下、動画をご覧ください。

ツメの作成


補足



今回使用したフォントは他にも使い途がありそうです。何か良い方法をお考えになった方は、ぜひ教えてください。
サンプルデータはこちら《minimum_2014_0303b.zip》です(CS6以降/一部CS4以降でも可)。
posted by 照山裕爾 at 03:15| Comment(2) | TrackBack(0) | InDesign-その他の機能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月31日

定形フォーマットが並ぶレイアウトを作成する(データ結合)

DTP作業者にとっての難易度 ★★☆☆☆(2)

情報誌など定形フォーマットが数多く並ぶレイアウトを作成する際に便利なのがInDesignの「データ結合」機能です。今回は、その大まかな流れをご紹介します。下図はデータ結合によって作成したレイアウトの完成イメージです。
0130-01.png

※企業の名刺など「要素の配置が同じで内容(名前・部署など)を差し替えるレイアウト」を何種類も作る場面でも活用できます。



文章でご説明すると長くなりますので動画をご覧ください。


動画内で使用しているLibreOfficeは無料のソフトです。
以下から入手できます(2014年1月30日時点)。
http://ja.libreoffice.org/

多くの場合、データ結合機能を使ってレイアウトを組んだ後にInDesign上でさまざまな調整をおこなうことになると思います。その際の工夫点については、次回以降で少しご紹介するつもりです(不要な要素の削除など)。

編集者(発注者)の方々へ


データ結合は簡単で便利な機能ですが注意すべき点もあります。それは「InDesign上で文字修正などをおこなった場合、その修正内容は元のExcelファイル(などのデータベース)に反映されない」ということです。ですから、理想的にはExcelデータが完全な状態になってからデータ結合を実行し、それ以降の文字修正はおこなわないという作業フローを目指すべきでしょう。

※本格的にデータベースとレイアウトの相互リンクを実現したいのであれば他の方法を検討すべきです。


やむを得ずInDesign上で文字修正をおこなうことになる場合、Excelファイルの文字修正は誰がどのような方法でおこなうか、そのための費用や時間は確保できるか……を十分に検討しておくことが大切です。放っておくとInDesign上の文字とExcelファイル上のテキスト内容が食い違うことになり、次回以降の印刷物作成の場面でトラブルが生じる可能性もあります。

私の場合、まずは「編集者の方にExcelファイルを修正していただく→その箇所を(色をつけるなどの方法で)ご指示いただく→私がInDesignに反映する」という流れをご提案します。私のほうで修正をすることになる場合は「InDesignとExcelファイルを並行して修正するのでミスするリスクはある」とお話しした上でお受けします。なお、修正作業にExcelを使用すると1段まちがえて入力するなどのミスが起きやすいので、私はカード型データベースソフトのファイルメーカーProを購入しました(1情報を1画面で表示できるので他の情報を触る可能性が低いため)。ただ、すべてのDTP作業者がこの類のソフトを使用しているわけではないことをご理解ください。

このように運用に多少の注意は必要ですがデータ結合は様々な活用方法が考えられる便利な機能です。ぜひDTP作業者と相談して試してみてください。

【2016.4.13追記/併せてご覧ください】

「データ結合後のレイアウトからテキストを抽出する」を書きました。完成後のレイアウトからHTMLファイルを書き出し、それを整形してテキストを抽出する方法を考察しています。
posted by 照山裕爾 at 02:24| Comment(0) | TrackBack(0) | InDesign-その他の機能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月14日

作業負担軽減のための工夫

DTP作業者にとっての難易度 ★★★☆☆(3)

下図のように定形フォーマットがいくつか(20〜30ぐらい)並ぶレイアウトを作成する機会がありました。定期刊行物なので同じ体裁のレイアウトを次号以降でも作る必要があり、フォーマット数は決まってはいないということでした。
1213a.jpg

テキストデータ上で文字をコピーしてInDesign上のテキストフレームにペーストする……という作業を何度も繰り返せば形にはできるのですが、作業負担が大きくミス(選択漏れなど)の可能性もあります。何か省力化できる方法がないかと試してみたものをご紹介したいと思います。以下、動画とサンプルデータをご覧ください(動画が長くてすみません)。

なお、サンプルデータはそれぞれ以下のような内容になっています。
【A】コピー&貼り付けの繰り返しで各テキストフレームに文字を入力する。
【B】連結したテキストフレームに文字をペーストし、「次のスタイル」機能により一気に段落スタイルを適用する。
【C】手順は上記【B】と同様だが、製品番号の枠を段落境界線により生成する(必要な時だけ枠が表示される)。
【D】表機能によって目的のレイアウトを実現する。
【E】手順は上記【D】と同様だが、製品番号の枠を段落境界線により生成する(必要な時だけ枠が表示される)。
【F】1つのテキストフレームで目的のレイアウトを実現する。「先頭文字スタイル」機能により、同段落内の一部(2つ目のタブの前)の文字のみに文字スタイルを適用する。製品番号の枠は段落境界線により生成する。「次のスタイル」も使用。
【G】CS4以降からの「行スタイル」機能(最初の数行のみに任意の文字スタイルを適用する)も使うことで、1つの段落スタイルだけで目的のレイアウトを実現する。
【H】CS3で、何とか1つの段落スタイルだけで目的のレイアウトを実現しようと試みたもの。「先頭文字スタイル」機能を2つ使用。不要な段落境界線は「下線」機能によって隠している。
【I】「データ結合」機能によって、必要な数だけフォーマットを発生させる。


どれも準備は面倒ですが、フォーマット数が多くなるほど、また号数が多くなるほど【A】と比べて作業負担が大幅に軽減されることになります。編集者の方とDTP作業者との間で事前に十分に打ち合わせをして、できるだけ楽な方法を探すべきだと思います。それが結果的に不備を減らし、時間短縮につながり、編集者の方の原稿チェックの負担も軽減することになるはずです。
サンプルデータはこちら《minimum2014_0507a.zip》です(CS4以降)。

※2014_0507修正データに差し替えました。



【思い出して追記】

11月に【F】の設定について説明しようと試みた動画をyoutubeにアップしていたのを思い出しました。お時間があればご覧ください(youtubeの動画へ)。
posted by 照山裕爾 at 03:19| Comment(0) | TrackBack(0) | InDesign-その他の機能 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする