2013年05月18日

正規表現による検索/置換で段落スタイルを指定する

DTP作業者にとっての難易度 ★★☆☆☆(2)

《Microsoft Wordの段落スタイルをInDesignに反映する》では、Microsoft Wordで段落スタイルを設定しておくとInDesignの段落スタイルに反映できることをご紹介しました。
しかし作業環境によっては、編集者がテキストデータに段落スタイルを適用できないこともあります(たとえばテキストエディタを使用している場合など)。このような場合に便利な方法をご紹介したいと思います。

たとえばテキストデータでは大見出しにしたい段落の行頭に「◎」、小見出しにしたい段落の行頭に「■」を入力しておき、これをInDesignに読み込みます(下図・左)。正規表現による検索/置換で、これらの記号を削除すると同時に段落スタイルを適用し、下図・右の状態にすることができます。

0518-003.png


このためには、下図のように設定をおこないます(大見出しの例)。

0518-001.png

『検索文字列』の「^◎」は段落行頭「^」の直後が「◎」であること、という条件を示しています。
「(.+)」のうち「.」は任意の1文字という意味、「+」は1回以上の繰り返しという意味です。「なんらかの文字が1文字以上存在すること」というふうに考えていただければ結構です。半角括弧で囲んでいるのは、後ほど置換する時に使用するためです。

『置換文字列』は「$1」となっています。これは《特定の言い回しの部分だけを置換する……正規表現による置換》でもご説明したように『検索文字列』内の1つめの半角括弧で囲まれた部分をそのまま使用する、という意味です。今回は検索した文字列のうち「◎」を除く部分ということになります。

さらに『置換形式』欄では、適用したい段落スタイルを設定して『すべて置換』を実行します。



段落行頭に入力しておく記号は何でも構いませんが、本文中で使用する可能性の少ない記号を選ぶべきでしょう。
posted by 照山裕爾 at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | InDesign-検索/置換 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月17日

正規表現による置換の活用例……「したがって」と「従って」

DTP作業者にとっての難易度 ★★★☆☆(3)

たとえば、下図のように文章の頭で使用する接続詞は仮名表記の「したがって」、文章の途中で使用する動詞は漢字表記の「従って」にしたいという場合、やはり正規表現による検索/置換をおこないます。

0517-103.png


従って→したがって


文章の頭で使用する接続詞を「したがって」とするためには下図のように設定します。

0517-101.png

『検索文字列』のうち「|」の左側は「^従って」となっています。この「^」は段落行頭を示します。つまり段落行頭に存在する「従って」を検索対象にする、という設定になっているわけです。
「|」の右側は「(?<=[、。])従って」となっています。この「(?<=[、。])」は、「従って」の直前の文字が読点「、」もしくは句点「。」であること、という条件を示します。

※「|」は複数の条件を設定する際に使用します。「または」という意味だと考えていただければ結構です。





したがって→従って


文章の途中で使用する動詞を「従って」とするためには下図のように設定します。

0517-102.png

『検索文字列』は「(?<=に)したが(?=[わいうえおっ])」となっています。「(?<=に)」は、「したが」の直前の文字が「に」であること、という条件を示します。「(?=[わいうえおっ])」は、直後の文字が「わ」「い」「う」「え」「お」「っ」のいずれかの文字であること、という条件を示します。

※「に従わない」「に従う」「に従えば」「に従おう」「に従って」といった活用に対応するためです。




※これらの他に「○○を従えて」や「○○が従わない場合」などの表現部分も対象にするためには少し設定を追加しなければなりませんが、ここでは省略しました。



サンプルデータはこちら《minimum0517.zip》です(CS4以降)。

【2016.7.14、2016.8.29追記→2016.9.23修正】

Adobeフォーラムで
^従って|(?<=[、。])従って
ではヒットしないものがあるとご指摘がありました。

当方で試した範囲ではInDesignCC2014(10.2.0.68)と2015(11.0.0.72)で
段落内の(句読点に続く)「従って」が検索対象となりませんでした。
理由はよく分かりませんが最初の「^」が「|」以降にも影響しているように思います。
これがInDesignが抱える問題なのか、
それとも正規表現の正常な挙動なのかはよく分かりません。

なお、順番を入れ替えて
(?<=[、。])従って|^従って
とすることで、この問題は回避できるようです。
(↑この部分、2016.8.29追記)


(?<=[\r。、])従って|^従って
とすることで、この問題は回避できるようです。
「従って」の直前が改行、句点、読点のケース、
もしくは「従って」が段落行頭のケース……という意味です。
posted by 照山裕爾 at 15:22| Comment(2) | TrackBack(0) | InDesign-検索/置換 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

特定の言い回しの部分だけを置換する……正規表現による置換

DTP作業者にとっての難易度 ★★★☆☆(3)

たとえば通常のテキスト検索/置換で“箇所”を“ヶ所”に置換しようと考えた場合、ダイアログは下図のように設定します。

※置換後、文字スタイルを使用して蛍光ペン風表示するよう設定しています。


0516-001.png

しかしこの設定だと、“該当箇所”だった部分まで“該当ヶ所”となってしまいます。これでは適切な置換ではありませんね。




このような時は正規表現による検索/置換をおこないます。ダイアログは下図のように設定すれば良いでしょう。

0516-002.png

当ブログは編集者の方のためのものなので正規表現についてあまり詳しくは触れませんが『検索文字列』の“\d”は数字ということ。“+”はその文字(数字)を1回以上繰り返すという意味です。つまり全体では『数字が1文字以上存在した後に“箇所”という文字が続く部分』を検索するという設定になっています。

『置換文字列』の“$1”は『検索文字列』内の1つめの半角括弧で囲まれた部分をそのまま使用するという意味です。今回で言えば、1文字以上の数字部分を指します。これに続いて“ヶ所”という文字列を加えるという設定になっています。

この設定で実行すれば“該当箇所”は数字が存在しないため検索/置換の対象にならず、“1箇所”と“20箇所”だけが検索/置換の対象になるわけです。



また、下図のように『置換文字列』を空欄にして『置換形式』で文字スタイルを設定すれば、特定の言い回しの部分に対して文字スタイルを適用することもできます。ここでは数字の直後の“円”の文字スタイルを変更する設定になっています。

0516-003.png

なお『検索文字列』の“(?<=\d)”は、直前の文字が数字“\d”であること……という条件を示しています。



正規表現による検索/置換を活用すると書式指定や赤入れ対応が効率化できます。この後も、少し正規表現による検索/置換についてご紹介していきたいと思っています。

(追記)

2つ目の動画では直前が数字の場合のみ“箇所”を“ヶ所”に置換していました。しかし“数箇所”や“何箇所”という文字列もそれぞれ“数ヶ所”と“何ヶ所”に置換したいというケースがあるかもしれません。このような場合はダイアログを下図のように設定します。

0517-001.png

『検索文字列』の“(?<=[\d数何])”は、直前の文字が数字(\d)か“数”か“何”のいずれかの文字であれば良いという条件を示しています。実行結果は以下の動画をご覧ください。

posted by 照山裕爾 at 03:09| Comment(0) | TrackBack(0) | InDesign-検索/置換 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする